佐々木幸蔵氏(大正12年6月10日~没年不詳) 

  

 昭和33年1月札幌川柳社創立に参画。2月川柳さっぽろ「創刊号」の

  編集人の一人。国鉄に勤務。札幌川柳社副主幹。幌都集選者。

  全国鉄川柳人連盟幹事。句集「貌」 

 

 

≪十七選句集≫ 

         貌より (川柳叢書第4集・昭和49年4月発行)  ・・・ 岡崎 守 選

 

     ・後輩に追われ越されて生き字引き

 

   ・三人に愛され三人にだまされる    

 

   ・影法師までが酔ってる好い機嫌   

 

   ・座席取る帽子気味よく尻の下

 

   ・女は強しさよなら言って振り向かず

 

   ・押し込まれ乗った気がする朝ラッシュ   

 

   ・とてもなれぬから局長の椅子にかけ    

 

   ・たて縞を着こなし女細くする  

 

   ・発車ベル良かった顔と惜しい顔    

 

   ・養老院生きていいのか悪いのか  

 

   ・正直なだけの亭主でバカのうち    

 

   ・女房のレジャーはたった大あくび  

 

   ・不満引っ込めるに足りぬコップ酒  

 

   ・すぐ握手するただそれだけのマダム     

 

   ・特急の愛称を子に教えられ  

 

   ・駅で足踏まれたそれが縁となり    

 

   ・発車ベルホームの柱邪魔をする