2023年12月号

 巻頭言

    「為せば成る」

 

      「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」この言葉は、

   江戸時代の大名であった上杉鷹山(うえすぎようざん)が、家臣に教訓として読み与えた

   歌です。鷹山は財政危機に陥っていた藩を経営改革により立て直した人物です。アメリ

   カのジョン・F・ケネディ大統領が、もっとも尊敬する日本の政治家として名前を挙げ

   ています。

    新体制となって、12月で丸一年を迎えます。1月8日事務局長&副会長の青柳忠氏の

   急逝により、波乱の幕開けとなった一年ですが、運営委員はじめ会員皆さんのご協力に

   より何とか計画された事業もほぼ終了することが出来ました。高齢化等による会員減少

   という課題は残ったままですが、何とか皆さんと力を合わせて前進したいと考えていま

   す。

    「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」は、行動する事が大切だという人生訓として

   よく引用されますが、何か新しいことを始めるときには困難が付きものです。何も行動

   を起こさず後悔するよりも、失敗を恐れず、諦めずに取り組むことが大切だと思ってい

   ます。

    今年一年、元気で川柳に関われたことに感謝し、来る年令和6年は皆さんにとって良

   い年であるよう願っています。

    一年間のご協力ありがとうございました。

    

      ❝ 日日感謝仲間信じて明日の道 ❞  佐藤 芳行

 

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   【あかしや集】:佐藤 芳行 選

    

    ・酸欠です愛を下さいひとしずく    平向 玲子 ・・・ 特選句

    ・絵本から夢が飛びだす遊びだす    高橋かおり ・・・ 秀 句

    ・朝刊を開いて世界俯瞰する      岩間 啓子      〃

    ・齢とらぬ妻の遺影にいやされる    白幡 恒夫      〃

    ・澄み渡る空からとどく応援歌     中村 秀子      〃

    ・道ゆずる一期一会の冬帽子      野島 淑江      〃

    ・面白味ある人生の舟を漕ぐ      荒木 茂儀      〃

    

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     【ぽぷら集】:沼澤  閑 選

   

    ・見つめると見えてくる星慎ましい   相澤 重明 ・・・ 特選句

    ・やさしさの類語としての冬囲い    宇佐美愼一 ・・・ 秀 句

    ・平穏に暮らし過ぎてる水の漏れ    羽生 良子      〃

    ・走りきりゲレッパと言う笑顔の子   小山 和子      〃

    ・不器用に生きた人生万華鏡      谷野 幸成      〃

    ・ゆるやかにあなたがいてもいなくても 小杉山雅子      〃

    ・どうであれなかったことに出来ますか 西嶋りょう子     〃

 

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       【幌 都 集】:落合 魯忠 選

 

    ・エンディングノート急げと山の神   高橋 節也 ・・・ 金鈴妙

    ・朝陽浴び映る背中の愚痴を聴く    田村のぶ江      〃

    ・嫉妬心いちごコトコト煮ています   一家  汀      〃

    ・眉をひくビシッと決めた寒い朝    桐澤都志子      〃

    ・老化するほどのものかと初期化する  織田 直生      〃

    ・雪までの彩いろいろにニュートラル  飯澤 理子 ・・・ 秀 句

    ・つり橋をそろり渡った好奇心     佐藤 園江      〃

    ・トップギア恋の涙をふり切って    長谷たみ子      〃

    ・悪しからず期限が切れた愛を詠む   浜  正吉      〃