【巻頭言】
「和を以て貴しとなす」
「和を以て貴しとなす」この言葉は聖徳太子が制定した「十七条憲法」の中の一文で
す。定年退職後、再就職した職場で、建築関係の職人が集まる「太子講」に出席する
機会がありました。大工さんはじめ、鳶、左官、建具屋さんなど建築にかかわる職人
仲間で聖徳太子を守護神として祀る行事でした。聖徳太子が寺院建築史上大きな存在
であったことに由来しています。
単なる「皆で仲良くしていこう」というものでなく、「議論を尽くして物事を決め
ていき、それによって『調和を形成する』こと」を説いています。
川柳の世界においても、伝統川柳から革新川柳、サラリーマン川柳など同じ川柳の
ジャンルでも目指す方向が様々です。「和の精神」をもって、意見の違う様々な人た
ちと話し合い・議論をすることができれば、成し遂げられないことは何一つない、と
思います。
「和を以て貴しとなす」の教えは「和の精神」の大切さを私たちに教えてくれていま
す。札幌川柳社も、新体制になって3か月が過ぎようとしています。皆さんと力を合
わせて未来へ向かって前進したいと考えていますので、よろしくお願いいたします!
支え合う和の精神で未来絵図 佐藤 芳行
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【あかしや賞】:浪越 靖政 選
・絵馬たちの雑談を聴く大鳥居 柴田加奈子 ・・・ 特選句
・口紅が行方不明のまま春に 酒井 麗水 ・・・ 秀 句
・三叉路で足が止まった脳の錆 平向 玲子 〃
・ペン一本こころの滓を洗い出す 坂本さち子 〃
・モジリアーニの首になる起床時間 藤澤美津子 〃
・春の陽へ虫干しをするコロナうつ 高宮まゆ未 〃
・昨日の事も忘れているのに今日の夢 田栗 玲子 〃
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【ぽぷら集】:佐藤 芳行 選
・喜怒哀楽夫婦劇場まだ続く 長内 寿一 ・・・ 特選句
・いそいそと春の時計を買いにいく 宇佐美愼一 ・・・ 秀 句
・ゆったりと歳の数だけ笑い合う 羽生 良子 〃
・とっときの笑顔で彼を連れてくる 出雲恵美子 〃
・健康で白寿目指してアンビシャス 谷野 幸成 〃
・此の歳になれば分かると言った母 鎌田きよ子 〃
・あたたかなあなたの風と語る春 西嶋りょう子 〃
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【幌 都 集】:落合 魯忠 選
・ごめんねと言われて独楽が回り出す 飯澤 理子 ・・・ 金鈴抄
・届けたい言葉が明日を光らせる 恵利 菊江 〃
・握力を鍛え女神の髪つかむ 田村のぶ江 〃
・やぼったいさらっと脱いで春を着る 織田 直生 〃
・神田川聞くと思い出よみがえる 桐澤都志子 〃
・若い振りまだ原色の赤が好き 亀貝えみ子 ・・・ 秀 句
・春風になってあなたを温める 高橋 節也 〃
・暖房節約まあるく猫になる 澁谷ノリ子 〃
・懸命に生きた証しのデスマスク 佐藤 園江 〃