巻頭言
「飛躍の年へ」
令和5年の干支は癸兎(みずのと・う)です。
「癸」は雨や霧など、静かで温かい大地を潤す恵みの水を表しており、干支の最後にあた
り、生命の終わりを意味するとともに、新たな生命が成長し始めている状態を意味してい
ます。
「卯」は穏やかなうさぎの様子から安全、温和の意味があり、また、うさぎのように跳ね
上がるという意味から卯年は何かを開始するのに縁起が良く、希望があふれ好転する良い
年になると言われています。
癸卯の年は、「癸」と「卯」の組み合わせから、これまでの努力が実を結び、勢いよく
成長し飛躍する年になると考えられています。
札幌川柳社においても、一時代を築かれた岡崎会長、浪越副会長、太秦顧問が退任され、
新しい体制での出発となります。
今までの札幌川柳社の礎を築かれた先輩諸氏の努力と汗の史跡を守りつつ、新しい時代
へと飛躍のステップとなる年でありたいと思っております。
みなさんと力を合わせてゆっくり、じっくり、一歩一歩、力強く歩を進めて参りますの
で宜しくお願いいたします。
〝癸卯明日へ向かいジャンプする〟 佐藤 芳行
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【あかしや賞】:浪越 靖政 選
・予定表埋めて膨らむ寒椿 酒井 麗水 ・・・ 特選句
・母の背か 少し遅れてついてゆく 志村ふみ子 ・・・ 秀 句
・油断大敵シッポはいつも巻いておく 藤澤美津子 〃
・嘘ほんと終着駅で待ってます 柴田加奈子 〃
・日記には書けずまぶたに書きとめる 岩間 啓子 〃
・春が来る屋根の氷柱がラ・ラ・ラ・ラ 平向 玲子 〃
・カウントダウン何とかなるさ砂時計 菊地ひかり 〃
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【ぽぷら集】:佐藤 芳行 選
・ガレキからもっと発信バンクシー 小杉山雅子 ・・・ 特選句
・脚本はあるが演技は自由です 石出 栄光 ・・・ 秀 句
・立春の翼広げて風を待つ 宇佐美愼一 〃
・泣き言が振れば出る出るソバ枕 鎌田きよ子 〃
・薄味に慣れてニンゲン円くなる 大坪 寒流 〃
・苦労した努力の汗は裏切らず 谷野 幸成 〃
・つまづいた石に恋して現在地 西嶋りょう子 〃
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【幌 都 集】:落合 魯忠 選
・晩学の語彙の扉の思いやり 田村のぶ江 ・・・ 金鈴妙
・肩の荷を下ろした場所を動けない 高橋 節也 〃
・満ち足りたやさしさ時を無に生きる 浜 正吉 〃
・「一緒に」ってなんてステキな無限大 飯澤 理子 〃
・余白には心豊かと書き添える 工藤 貞子 〃
・気を抜くと境界線は錆びてゆく 亀貝えみ子 ・・・ 秀 句
・飢餓の子らアンパンマンを待っている 佐藤 園江 〃
・ある時期をラクダとなって生きていた 織田 直生 〃
・二つ目のピアスの穴は勇気いる 桐澤都志子 〃