2022年3月号

 巻頭言

    「一日一句・第十集」

 

     古稀から始めた一日一句も、傘寿となりましたので十年間を達成しました。

     2月1日に第十集を発行し、自己満足の喜びに浸っています。

     平成24年の元旦から挑戦を始めたのですが、まさか10年間も続けられるとは思

    っていませんでした。その一句が積もり積もって、3,652句となり、10冊の句集

    となったのです。

     あくまでも守の心の日記ですので、吐き出された作品は日々の呟きでしかありま

    せん。作品の質や評価を期待して作ってはいませんので、まさに守の日常の心の軌

    跡だと思っています。

     さて、10年間で止めようと考えていたのですが、習慣とは恐ろしいもので止めず

    に元旦から作っているのです。一日一句に脳が侵されてしまったのです。傘寿まで

    続けたのであれば、卒寿まで続けて卒業したら、と励ましてくれる人達がいるので

    す。

     守の決心が揺らいで、続けることにしました。但し後十年間を元気で生きていら

    れれば、が条件となります。川柳を続けていると脳が活性化して、長生きしますよ、

    と宣伝していますので、信じて歩もうと思っています。

     何方かやってみませんか。そんな馬鹿な事をと思わないで。ちょっぴり辛くて、

    楽しいので。

 

       「侵された脳で一句を卒寿まで」  岡崎  守   

 

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  【あかしや集】:岡崎  守 選

 

  ・ジジパワー赤点滅の雪の山      番匠甚五郎 ・・・ 特選句

  ・血圧がどうのこうのと雛かざる    柴田加奈子 ・・・ 秀 句

  ・雛壇をかこみ賑やかだったころ    小野寺三陽      〃

  ・春の声胸の根雪がとけてゆく     澤畑 厚子      〃

  ・ほんとうの私になれる猛吹雪     梶原 百華      〃

  ・まだ強気まっ赤なネイル光らせて   高橋かおり      〃  ・

  ・君の手が触れて二月が解けてゆく   折原 博美      〃

 

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 【ぽぷら集】:佐藤 芳行 選

 

  ・にこにこと鈍感力で生きている    小山 和子 ・・・ 特選句    

  ・感動の箱根路駆ける風ひかる     菊地 昌代 ・・・ 秀 句 

  ・終息も願い顔出す雛飾り       橋本利恵子      〃

  ・三月の風に会ったら弾けそう     宇佐美愼一      〃

  ・終わりない挑戦かぎりある余命    井上 サヨ      〃  

  ・捨てられぬ夢へ向かって湧く力    羽生 良子      〃  ・

  ・湯を沸かしさてウィカキーか泡盛か  小関 虎風      〃

 

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  【幌 都 集】:澤野優美子 選

 

  ・この街で新しい歌うたいます     西嶋りょう子 ・・ 金鈴抄

  ・妄想の未来ときどき試着する     福島あけみ      〃

  ・ポケットの穴から落ちたたからもの  佐藤 園江      〃

  ・温暖化眠り続けるゆで蛙       高橋 節也      〃

  ・何描こう令和四年のキャンバスに   桐澤都志子      〃

  ・伸び代があると信じて夢を追う    亀貝えみ子 ・・・ 秀 句

  ・陽だまりでじっと充電春を待つ    木下 昭夫      〃

  ・旅好きがテレビで癒す心旅      菅谷 子雀      〃

  ・イヤホンを片っぽずつにアンダンテ  飯沢 理子      〃