2021年11月号

巻頭言

   「 氾 濫 」

 

        カタカナ語が氾濫しています。コロナ禍の影響なのか、特に感じています。

   と同時に川柳作品にも増加しています。

    僕は古い人間なのか外国語には弱いので、困ってしまいます。テレビでは政治家

   さんが、得意そうに話しています。外国語で話さずに、日本語で何故話さないのか、

   と怒っています。語学を披歴したいのでしょうか。

    さて、川柳作品の中にも多くなっています。片仮名は、現在は外来語・動植物名・

   擬声語・擬態語などを書くのに用いられる。と辞書には。

    表現の新しさを求めるためには、必要なのかもしれませんが、該当する意味の日

   本語があるのなら、と思ってしまいます。勉強が足りないぞ、と言われるのでしょ

   うが。

    更に意味を強めるために、ひらがなをカタカナ表記にするのも流行っています。

   また若者言葉の、省略語にはついてはいけません。

    ひらがなの美しい調べを思い、カタカナの固さと重苦しさを思います。でも流れ

   ですから理解をし、ついていかなければと思っています。

    氾濫とは、多く好ましくない状態にいう、と辞書には。原稿もタイトルではなく、

   表題と書くべきなのでしょうか。

 

     「カタカナの氾濫ひらがなの美とは」 岡崎  守 

  

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    【あかしや賞】:岡崎  守 選

   

   ・イマジンが聴こえない地球の修羅場   横堀由紀子 ・・・ 特選句

   ・ニンゲンに飢えております仏さま    小野寺三陽 ・・・ 秀 句

   ・帰りますどうも地球は住みづらい    菊地ひかり      〃

   ・叩かれることもないやろパセリなら   淡路  獏      〃

   ・この元気持って浄土でアルバイト    安居 民樹      〃

   ・ドレミからはじまる演歌も人生も    福栄 知舟      〃

   ・雨期つづく恋しい笑顔引き伸ばす    清水ひろ子      〃

 

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    【ぽ ぷ ら 集】:鈴木 英雄 選

   

   ・さんざめく老いのパワーの多色刷り   岡崎 光子 ・・・ 特選句

   ・ワクチンを打っても背から追う不安   橋本利恵子 ・・・ 秀 句

   ・糸を染め模様織りなし添い遂げる    東  考矢      〃

   ・ゆっくりと歩いて見えた親の恩     出雲恵美子      〃

   ・過去最多まくらことばのように聞き   小杉山雅子      〃

   ・幸せの物差しは伸び縮みする      石出 栄光      〃

   ・ハグされて初めてわかるこの揺らぎ   高橋かおり      〃

 

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      【 幌 都 集 】:酒井 麗水 選

   

   ・この人に明日を持ってきて欲しい    宇佐美愼一 ・・・ 金鈴抄

   ・百歳へ背中をしゃんとカタツムリ    西嶋りょう子     〃

   ・女には女のうねり曼珠沙華       福島あけみ      〃

   ・思秋期の揺れる心を知る小部屋     亀貝えみ子      〃

   ・老犬を乗せて散歩のベビーカー     佐藤 園江      〃

   ・不器用にまたたく星がきっと姉     舘山 悦子 ・・・ 秀 句

   ・諍いのもとをたどれば小さき事     小山 和子      〃

   ・苦労した互いに思う四十年       高嶋 克明      〃

   ・ポップコーン放る2時間の妻へ     河野 潤々      〃