巻頭言
「歴史の音色」
川柳人の高齢化と、新規加入者の減少によって、川柳社等の閉会が続いておりま
す。長年の歴史が途絶えることは残念なのですが、他のジャンルにおいても同様で
すので、受け入れざるを得ないのかも知れません。
しかし、存在した歴史だけでも遺さなければと考えています。創立から閉会まで
の歴史を書き残すことは、誰かがやらなければなりません。柳誌や写真は散逸し、
書き残す人も亡くなって行きます。大切な川柳の遺産が消えてしまうのです。
残念でなりません。
今回、歴史の音色として元会長さんに執筆して頂きました。順次「さっぽろ」誌
に掲載しようと考えています。楽しみにお待ちください。
故斎藤大雄著「北海道川柳誌」、「札幌川柳社五十年史」、「北海道川柳連盟五
十年史」、昭和55年版より発行の「北海道川柳年鑑」は令和3年版で第四十二集と
なります。これらの著作に遺された汗の歴史は、川柳の文化遺産として後世に引き
継がれて行くのです。
川柳資料館は夢なのですが、川柳人が力を合わせて、貴重な資料を遺したいと思
っています。一冊の柳誌や句集から、歴史の音色が響いてきます。その音色を大切
に守りたいと思っています。
後世へみんなの力よせ合って 岡崎 守
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【あかしや集】:岡崎 守 選
・街の灯が消えた令和のものがたり 小野寺三陽 ・・・ 特選句
・ゲームやめ陽と遊ぼうよ養殖魚 高宮まゆ未 ・・・ 秀 句
・他人事よ余生残生第四波 松本 淳子 〃
・傲慢なヒト科試しているコロナ 北畠 句朗 〃
・本当は怖いワクチン注射針 堺 あつ子 〃
・手回しの地球 よろよろする平和 梶川 詠児 〃
・命たまゆらグレーゾーンの地球 大久保貴美子 〃
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【ぽぷら集】:鈴木 英雄 選
・退院の父の背中をただ擦る 東 考矢 ・・・ 特選句
・微笑みの皺に幸せ無限大 岡崎 光子 ・・・ 秀 句
・シーグラス透かして覗く遠い国 櫻井 裕太 〃
・立ち上がるヒントユーモアからもらう 西原 真一 〃
・許せたらスーッと涙落ちてきた 菊地 昌代 〃
・突っ走る君にあげたい句読点 遠藤 俊二 〃
・未来地図描いて進む八十路坂 長内 寿一 〃
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【幌 都 集】:酒井 麗水 選
・添える手が言葉の無力埋めていく 宇佐美愼一 ・・・ 金鈴抄
・バラ一本ステイホームの鬱晴らす 高嶋 克明 〃
・寝違えて安全ピンの弾む音 河野 潤々 〃
・夢つなぐ母から娘へのフラメンコ 亀貝えみ子 〃
・ウイルスが追いかけてくる人の波 西嶋りょう子 〃
・ベクトルのはじまりは鳥コロナ戦 福島あけみ ・・・ 秀 句
・プラのゴミもう満腹というクジラ 木下 昭夫 〃
・窓閉じて心のままにピアノ弾く 三上 弘子 〃
・菜園のガングロジジイ若がえり 織田 直生 〃