巻頭言
「寄贈のお願い」
「札幌川柳社五十年史」の発刊の時に、斉藤大雄さん、佐藤正さんから「川柳さ
っぽろ」誌を寄贈して頂き、創刊号から600号までを揃えることが出来ました。そ
れ以降の号数を含めて、全号は僕の書斎に揃っております。
令和元年7月に川柳社事務所を閉鎖した時に、さっぽろ誌の保管を松本淳子さん
にお願いしました。ところが創刊から95号までが揃っていませんでした。
その後、池永龍生さんと坪井政由さんから寄贈して頂きました。政由さんは高田
寄生木さんから生前に寄贈されたとのことでした。それでもまだ( 2~36号、58~
95号)が欠番となっております。
古い柳人が亡くなっておりますので、揃えるのは容易ではありません。もし何
方かが欠番をお持ちであれば、是非とも僕宛てに寄贈をお願い致します。2組を
揃えて置けば、今後も問題が無いと思っておりますので。
札幌川柳社の70年、100年先のことを考えて、歴史を語る「川柳さっぽろ」誌
を残さなければと考えております。貴重な資料を紙屑にしないためにも、皆様の
御協力をよろしくお願い致します。
一冊が歴史の音色ひびかせる 岡崎 守
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【あかしや集】:浪越 靖政 選
・逆立ちをするとナイショが落ちてくる 藤澤美津子 ・・・ 特選句
・碇解く急に気弱になるカラス 柴田加奈子 ・・・ 秀 句
・人脈が楕円となってくる齢 川口まどか 〃
・後期とてアナログ脳をデジタル化 佐藤 正文 〃
・指切りをしたのに風にさらわれた 折原 博美 〃
・赤い糸時々引いて確める 田村 三郎 〃
・自分史にひとりよがりの恋も混ぜ 清水ひろ子 〃
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【ぽぷら集】:佐藤 芳行 選
・ふらここと揺れつづけてる恋ごころ 高橋かおり ・・・ 特選句
・落日へあれやこれやの懐古録 小杉山雅子 ・・・ 秀 句
・母さんの詩が聞こえる塩むすび 東 考矢 〃
・いつだって恋は危ない訪問者 大坪 寒流 〃
・テレビから愛の深さにもらい泣き 羽生 良子 〃
・日が高く緑が誘う散歩道 高橋 正幸 〃
・いい夢は魔法をかけて残しおく 中川 孝子 〃
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【 幌 都 集 】:落合 魯忠 選
・花咲くを無視してひかがみの微笑 河野 潤々 ・・・ 金鈴抄
・詳しくはコチラと雲を渡される 宇佐美愼一 〃
・気負いなく永遠の青春生きてます 西嶋りょう子 〃
・地下茎が土を盛り上げ春となる 福島あけみ 〃
・髭の字を見てるとダリが笑い出す 佐藤 園江 〃
・半音を下げた呼吸が楽になる 小山 和子 ・・・ 秀 句
・忘れがち海馬に餌が足りぬかも 菅谷 子雀 〃
・泣き切って日の出見ている人に会う 米澤とよ子 〃
・時を追い時の中へと置く自分 工藤 貞子 〃