2020年11月

 巻頭言

   「さっぽろ市民文芸」

  

    第1号は1984年(昭和59年)に発行されて、今年で第37号の歴史を数えます。

   札幌市民芸術祭 市民文芸部会には、随筆、小説、詩、評論、短歌、俳句・川柳、児童文学、

   戯曲・脚本の9つの部会があります。そして19名の委員により、大賞、奨励賞、佳作を決定

   しています。

     36号の川柳への応募者数は30名でしたが、37号では、川柳あきあじ吟社、北海道川柳研

   究会からの応募があり41名となりました。今後も皆様のご協力をお願い致します。

     川柳の人たちは、短歌、俳句、児童文学などにも応募をされて受賞しております。他の部

          門への応募によって、更に文芸活動への熱意が高まり、交流が深まりますので大いに挑戦を

    続けて欲しいと思っています。

     年代別応募者数では、60代から80代が7割を占めていますが、10代や20代の方も少しず

    つ増えております。残念ながら川柳部門への応募者は、40代からとなっています。

     川柳部門へは、タイトルを付けて10句の応募ですので、是非とも来年の38号への参加をお

    願いいたします。少しでも札幌市の文化の向上のためにも、尽力したいと思います。

     

       「応募して市民文芸さかす花」  岡崎 守    

     

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  【あかしや集】:岡崎 守 選

 

   ・自分史を黒塗りにする2020       梶原 詠児 ・・・ 特選句

   ・サンマ焼く煙見ぬまに冬支度      後藤 信子 ・・・ 秀 句

   ・新米と地酒ほとけもご満悦       清水 玲子      〃

   ・カボチャ切るわたし丸ごと出刃にのせ  加藤 民子      〃

   ・ほっこりと煮えたかぼちゃに母がいる  岩間 啓子      〃

   ・芒にはなれぬ男の一本気        佐藤 正文      〃

   ・悪病をピッポパッポと探す指      小澤 絹子      〃 

       

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  【ぽぷら集】:鈴木 厚子 選

  

   ・無理はよせいずれ倒れる独楽の芯    井上 サヨ ・・・ 特選句

   ・あじうりの甘さを慕う過去の舌     番匠甚五郎 ・・・ 秀 句

   ・はふはふと饅頭食って嘘ひとつ     櫻井 裕太      〃

   ・苦労した人だなあたたかいおじぎ    西原 真一      〃

   ・好物は舌舐めずりで人を食う      小関 虎風      〃

   ・歌いたい笑い合いたいノーマスク    相澤 重明      〃

   ・海の嗚咽きこえますかとゴメがとぶ   岡崎 光子      〃

   ・老いという二文字はフリーズドライ   山本 貞子      〃

 

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  【幌 都 集】:酒井 麗水 選

 

   ・ぺらぺらのカードが僕のふりをする   宇佐美愼一 ・・・ 金鈴抄

   ・四面楚歌秋の詩人は孤独です      高嶋 克明      〃

   ・ハードルを飛びこえペンで紡ぐ夢    亀貝えみ子      〃

   ・秋桜がショパンに合わせ風と舞う    山口 栄子      〃

   ・戸井か大間か息を継ぐ 息を吐く    河野 潤々      〃

   ・親近感縄文土偶胸の位置        出雲恵美子 ・・・ 秀 句

   ・脳内を好きに4B駆け回る       石出  栄光       〃

     ・今気づく優しさだった君の嘘      西嶋りょう子     〃