巻頭言
「川柳年鑑の意義」
令和2年版(第41集)の北海道川柳年鑑が6月に刊行されました。
刊行委員長の笹原子墨さんを始め、刊行委員会・編集スタッフの皆様のご尽力に感謝申し
上げます。
川柳年鑑の軌跡につきましては、北海道川柳連盟五十年史に岡嘉彦さんが執筆されており
ますので、是非ともお読み下さい。
今年の参加者は昨年より65名も減り、242名となりました。300名の参加がなければ、
刊行の持続が難しくなりますので、皆様の参加をお願いいたします。
年鑑の意義とは、歴史の流れを知り、自分の作品を遺し、参加者の作品と消息が分かり、
川柳人同士の絆を深める場でもあります。私なんて、と思わず気楽に参加していただきたい
と思います。その一人一人の小さな協力の輪が、北海道の川柳を支える大きな力となります
ので。
結社や柳誌の発行を持続させることは、大変に厳しい状況となっています。でも川柳文芸
の素晴らしさを発信し、歴史を刻み続ける使命があります。歴史をバトンタッチするために
も、ご尽力をお願いいたします。
第42集が300名を超えることを願って。
年間に自分史のこす一歩ずつ 岡崎 守
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【あかしや集】:浪越 靖政 選
・日本史の一章となる時を生き 吉井 迷歩 ・・・ 特選句
・ひまわりが振り向く何か言いたげに 清水ひろ子 ・・・ 秀 句
・すべて過去一本の傘乾ききる 河野 麗花 〃
・霧の街4Bで描く影ふたつ 柴田加奈子 〃
・必然に今あなたとのめぐり逢い 岡本恵美子 〃
・ハッシュタグおろおろしてる鍋の蓋 川口まどか 〃
・プラスマイナス零になれない血の絆 藤澤美津子 〃
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【ぽぷら集】:佐藤 芳行 選
・つまづいた石 哲学の貌をする 横堀由紀子 ・・・ 特選句
・出発の片道切符白い闇 東 考矢 ・・・ 秀 句
・残されたパズルの欠けらひとつ持ち 中川 孝子 〃
・許されるアダムもイブも神もなお 折原 博美 〃
・ショッキングピンクに人生染め直し 高橋かおり 〃
・紅少し差して厨にたつ至福 井上 サヨ 〃
・逢いに来た蛍をそっと手に灯す 山本 貞子 〃
・さち求め探す四つ葉のクローバー 番匠甚五郎 〃
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【幌 都 集】:鈴木 英雄 選
・はっとするこんな近くに神がいた 石出 栄光 ・・・ 金鈴抄
・新緑で眼を洗う自粛明け 福島あけみ 〃
・夢いっぱい鞄に詰めていた若さ 亀貝えみ子 〃
・小さな幸集めて満ちる日の暮らし 出雲恵美子 〃
・うがい手洗い檄飛ばされて心病む 村上 辰雄 〃
・八月は風もないてる原爆忌 高嶋 克明 ・・・ 秀 句
・終章へほぐして行こうもつれ糸 山口 栄子 〃
・目で笑いマスクの中で我慢する 山之内美根子 〃