巻頭言
「命の音」
皆さん、明けましておめでとうございます。
今年も元旦の一歩を踏み出しながら、それぞれの命の音を川柳に託し、一年を健康に留意しながら刻んでいきたいと思います。
昨年は、札幌川柳社の60周年を祝うことができました。これからも力を合わせて70周年に向かって歩み続けたいと思います。そのためには、一人ひとりが命の音を大切にして、大きな輪を詰まっていかなくてはなりません。
一人の小さな力が、零れる一滴の汗が、小さな輪を大きな輪とする原動力となります。皆が尽力するからこその組織であって、その力を宝物として歩みを続けることができるのだと確信しています。その底には、川柳が好きだ、という大きな川柳愛が育まれています。
命の音とは、脈々と流れる血液の音でもあります。一句にきそれらの音が表現されて積み重なり、人生史となって残されます。その幸せに感謝して、今年も日々を大切にしたいと思います。
亥年はどんな一年となるのでしょうか。猪突、猪勇、とはいかない年齢となりましたので、多士済済の皆様の力をお借りしながら、笑顔で元気に日常を過ごしたいと考えております。
しあわせは命の音に包まれて 岡崎 守
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【あかしや集】：岡崎 守選
・初日の出天地不変を祈ります 柳谷 百合子・・・特選句
・平成へ最後の屠蘇を熱く飲む 清水 玲子 ・・・秀 句
・新春の夢と笑顔とほろ酔いと 小野寺 三陽 〃
・初春のうぬぼれ鏡よく磨く 高宮 まゆ未 〃
・自問して許容範囲を甘くする 佐藤 賢爺 〃
・雑煮椀去年と同じもちの数 河野 麗花 〃
・猪突猛進そんな私がいた昭和 加藤 民子 〃
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【ぽぷら集】：鈴木 厚子選
・美男子も今じゃ終活適齢期 片山 葉一・・・特選句
・待ちぼうけ楽しんでいる恋してる 久保 信彦・・・秀 句
・かしこまる屠蘇にもやがて癖が出る 小関 虎風 〃
・イエスマンやめてきりりと言い返す 菊池 昌代 〃
・最後には母のカレーにたどりつく 西原 真一 〃
・戦争を知らぬ僕らの通信簿 折原 博美 〃
・やせ細る年金食べる原油高 荒井 俊光 〃
・平成のなじんだ海に打つ句点 横堀 由紀子 〃
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【幌都集】：川口まどか選
《金鈴抄》
・欲張りで愉快な友を狙い撃ち 高橋 かおり・・・金鈴抄句
・ひと言の温き言葉に溶ける棘 岡崎 光子 〃
・手鏡の中にくすぶる妥協点 小山 和子 〃
・僕の気を侵食してく冬の雲 遠藤 俊二 〃
・日記買う今年は何かありそうだ 原田 つとむ 〃
・梅酒飲み海馬とろりと道づれに 橋本 利恵子・・・秀 句
・欲盛って今年生き抜く初詣 長内 寿一 〃
・大病後人をゆるせる人となり 出雲 恵美子 〃